欧米大学院における博士課程の学生の待遇

 新学期(Fall quarter)の開始まであと一週間となりました。寮には新入生などの学生が入り始め、ほぼ大学院生しかいなかったキャンパスが賑やかになってきました。

 前回の記事では、アメリカなど欧米諸国の博士課程の学生は学費免除+生活費支給の待遇を受けられると書きました。今回の記事ではこの待遇の仕組みについてもう少し詳しく解説します。

 基本的には、欧米などの大学院では大学教授が公的機関や企業などの資金予算を獲得し、その予算の中から一部の資金を使い博士課程の学生をRA(Research Assistant)として雇用します。前回で言及したHarvardやMITの私立大学のケースで計算すると、年間で学費+生活費で1000万円ほどを一人の学生の為に支払っている事になります。

 以前調査を行った時に参考なった記事のリンクを載せます。

toyokeizai.net

 例としてアメリカの大学院を挙げます。大学院に合格するということは、おおよそ三種類の合格があると考えられます。

 1.大学教授の先生から採用内定をもらった後、学科(Department)から正式に合格通知をもらいます。在学中は学費免除+生活費支給の待遇を受けられる場合がほとんどです。

 2.学科から合格を出され、最初の1学期〜1年は学科から給料を支給されます。大学によってはこの最初の期間は学科から、TA(Teaching Assistant)として雇われる形になり、大学生に講義をしたり試験を採点したりして仕事をこなす事で給料をもらいます。一定の期限までに教授先生とマッチングして、それ以降はRAとして雇ってもらい生活費を支給されます。しかし、場合によってはマッチングしても学費と給料を払ってもらえないこともあります。

 3.学科からは合格を出されるが、学費と生活費を支給されないケースです。政府や民間から奨学金を得るか、自費で学費と生活費を支払う必要があります。もしくは、在学中に自分からアピールし、RAなどとして教授先生に採用されると、学費と生活費を支払ってもらえるようになります。

 私は複数の大学院に出願して、アメリカの大学院とイギリスの大学院からそれぞれ一人ずつの先生から声がかかりました。オファーの内容は在学中の資金援助(学費+生活費)でした。これは1のケースですね。自分がこれまで聞いた合格体験はほとんどこちらのケースでした。

 また、先方の先生と連絡取っていた時、学科の合否決定を待ってから話しましょうと言われたケースもありました。これらの大学院はおそらく先に教授会で採用する学生を決めているのではないかと思っています。

 欧米などの大学院の博士課程の学生に対する待遇はほとんどの場合学費+生活費支給でだいたい同じです。ただ、合格は出てもTAまたはRAとして採用されなかった場合は奨学金や自己資金などを用意しなくてはならないケースもあるので、出願プロセスの中で奨学金の申請も非常に大事です。